「婚姻届を出していない父母が死亡し、出生届が出されていないため、戸籍がない場合」
この子は非嫡出子となりますので、出生届の届出義務者は母親ですが、既に死亡しているので、出生届をして戸籍の記載をする方法はとれません。この場合、まず母の本籍を捜し、明らかであればその母の戸籍に就籍してもらえますが、不明の場合は新たに本籍を作る形の就籍をする必要があります。
また、非嫡出子の父子関係は、父の認知がなければ生じませんので、死後認知の訴えを提起し、亡父との親子関係を確定した上で、就籍による戸籍の父欄に父の名を記載してもらうことになります。これで、正式に亡父の相続人であることが戸籍上明確になり、亡父の相続人になることが出来ます。
2013/05/19新着情報・相続税・贈与税に関するコラム
(明け渡し要求の可否)
各相続人は、単独で遺産の使用が出来ることから(民249条:共有物の使用・・・各共有者は共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。)、明け渡しを求める理由を主張・立証しない限り明け渡しを求めることはできない(最判41.5)。
占有保護の必要性が弱く、共同相続人がその相続分過半数を持って現在占有中の相続人の占有を排除する旨を定めれば明け渡しを求めうるとの見解が有力とのこと。(参考252条:共有物の管理)
(賃料相当損害金請求の可否)
持分の過半数の同意が無い場合には、自己の持分を超える部分は違法であり、賃料相当損害金を請求できる。(最判平12.4)ただし、被相続人と同居していた相続人がそのまま占有している場合は、遺産分割終了までは使用貸借類似の関係が認められるので、遺産分割終了までは賃料相当損害金の支払いを求めることは出来ない。
2013/05/18新着情報・相続税・贈与税に関するコラム
民法では特別受益者に対しては、既に得た利益に相当する相続分が減るように、相続分の算定について特別に定めています。これが「特別受益の持ち戻し」と言われるもので、特別受益者が得た贈与や遺贈の分を特別受益として相続財産に組み入れます。この場合の特別受益の価額は、相続開始時の時価に換算します。
また、受益者が既に贈与を受けた財産を処分してしまっていても、その財産があるものとして、相続開始時の価額で相続財産に加算されます。対象となる贈与については、期間の期限がなく何年前のものでも対象となります。
これとは対照的に、相続税における生前贈与加算制度は、相続開始前3年以内の贈与が対象となり、贈与を受けた時の時価で相続財産に加算されます。
2013/05/17新着情報・相続税・贈与税に関するコラム
寄与分制度とは、相続人の中に、相続財産の増加や維持に特に貢献した人(特別寄与者)がいる場合は、その功労を金銭で評価して、その寄与分だけ他の相続人よりも配分を多くすることです。
寄与分をいくらにするかは、相続人の話し合いによって決めますが、話し合いで決まらなかった場合は、家庭裁判所が諸事情を考慮して決めます。
(寄与分が認められる要件)
①特別の寄与であること・・・扶養義務を超えた著しい療養看護など。
②相続財産の維持・増加と相当の因果関係・・・相続人の貢献により被相続人の財産が維持・増加したこと。
③無償であること・・・相続人の後見に対して報酬が支払われていない、又は過少であること。
よく見受けられるケースですが、相続人の配偶者が如何に献身的に介護しても相続人ではないので、寄与分としては認められないことや、扶養義務と認められる程度の介護等で寄与分を主張する相続人がいることなどです。
2013/05/16新着情報・相続税・贈与税に関するコラム
裁判所の判断(最判平成元年)では、「自筆証書によって遺言するには、遺言者が遺言の全文、日付および氏名を自書した上、押印することを要するが(民法968条1項)、右にいう押印としては、遺言者が印章に代えて拇印その他の指頭に墨、朱肉等をつけて押捺すること(指印)をもって足りるものと解するのが相当である。」です。
紛争防止の観点からは、「押印」は、本人のものであることの立証が困難な指印ではなく、対照用の印影が保存されている実印、銀行届出印等を使用することが望ましいでしょうね。
2013/05/15新着情報・相続税・贈与税に関するコラム
賃貸不動産から生じた賃料は、遺産とは別個の財産であって、各共同相続人が相続分に応じて取得することになります。(最高裁平成17年9月8日判決)
遺産分割確定前は、法定相続分で各自所得税の申告するが、確定後は相続人に賃料収入が帰属します。
2013/05/08新着情報・相続税・贈与税に関するコラム
受取人が指定されている生命保険金は、保険契約に基づき受け取るもので、受取人固有の財産です。
しかし、生命保険金が次に掲げる「特段の事情」があることにより、「特別受益」とみなされて他の相続人から遺留分減殺請求があった場合はその取扱いが異なります。
「特段の事情」とは、保険金の額、保険金額の遺産総額に対する比率、同居の有無、被相続人への介護・貢献の程度、相続人と被相続人の関係、各相続人の生活実態などにより総合的に考慮されます。(平成16年10月29日の最高裁の判断)
2013/05/05新着情報・相続税・贈与税に関するコラム
民法では、内縁関係者には、相続権を認めていません。
内縁関係者は、遺言により遺贈という形で、財産をもらうことができますが、入籍に当たって困難な場合が多そうです。
後妻を迎えた場合、前妻の子供達が反対することが多いのは、相続時に分割額が少なくなるからです。
このケースで壮絶なる争いの状況を目の当たりにした経験があります。遺言を作成しにくい時、生前に所有財産の引き渡しが行われたケースです。当然贈与税も発生するのですが、「こっそり」と預金等の名義書き換え等を行っていたのです。
相続や贈与の問題に直面すると、世に「聖人君主」も「無欲の人」もいないことを強く印象付けられます。「もらえるものなら、もらいたい」そりゃそうでしょう。・・・♫地獄の沙汰も金次第?
2013/04/30相続税・贈与税に関するコラム
いわゆる「連れ子」で再婚するケースがよくあります。
連れ子の親が再婚相手より先に亡くなっている場合で、次に再婚相手が死亡した場合に、連れ子と再婚相手が養子縁組をしていなかったケース。
この場合の連れ子は相続人に該当しないため、悲劇と言ってもよい状況に置かれることが有ります。自分の親の再婚相手が亡くなるまで面倒を見ても、遺言に遺贈の文言がなければ、相続人ではないため、その苦労は報われなくなります。
自分の親が亡くなった時、自分の親の再婚相手から言い出さない限り養子縁組に進めないでしょうね。このケースで相談を受ける場合は、何とも遣る瀬無い思いがします。
2013/04/29新着情報・相続税・贈与税に関するコラム
贈与税は、相続税の補完税という性格から、その納税義務者である受遺者は、原則として個人に限るとともに贈与者も個人に限ることになります。従って、相続(自然人の死亡)という事実が起こり得ない法人については、相続税の補完という問題が生じないにで、法人から贈与により取得した財産については、贈与税を非課税とし所得税(一時所得)を課することとしています。
2013/04/29新着情報・相続税・贈与税に関するコラム