「相続人の一人が相続財産を独占・占有しているとき」・・・困った、どうしよう
(明け渡し要求の可否)
各相続人は、単独で遺産の使用が出来ることから(民249条:共有物の使用・・・各共有者は共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。)、明け渡しを求める理由を主張・立証しない限り明け渡しを求めることはできない(最判41.5)。
占有保護の必要性が弱く、共同相続人がその相続分過半数を持って現在占有中の相続人の占有を排除する旨を定めれば明け渡しを求めうるとの見解が有力とのこと。(参考252条:共有物の管理)
(賃料相当損害金請求の可否)
持分の過半数の同意が無い場合には、自己の持分を超える部分は違法であり、賃料相当損害金を請求できる。(最判平12.4)ただし、被相続人と同居していた相続人がそのまま占有している場合は、遺産分割終了までは使用貸借類似の関係が認められるので、遺産分割終了までは賃料相当損害金の支払いを求めることは出来ない。
2013/05/18/新着情報・相続税・贈与税に関するコラム