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田端義夫の「帰り船」

表題の歌は、昭和21年にリリースされた歌謡曲で、京都府舞鶴港が舞台となっています。

私の父は、戦後旧ソ連邦のシベリアに抑留され、約2年後に帰還船で舞鶴港に到着しました。「皆様本当にご苦労様でした。この船は日本行きです。」という船内放送の後、この歌が流れたそうです。歓喜と安堵の声が挙がったことでしょう。

最近「You Tube」でこの歌を聴く度に、父への追慕の念が高まり、舞鶴港を訪れたいと強く思っていました。移動自粛が解除された後の日曜日(6月21日)に日帰りの日程を組みました。

入り江の奥にある舞鶴港を見下ろす丘の上に立つ「舞鶴引揚記念館」には多数の当時の資料とともに、父が抑留されていた「収容所」の内部がリアルに再現されており、父の話していた内容と一致していました。

望郷の念に駆られ日本への帰還を強く願う病床の戦友に対して、為すすべもなくその最期を看取ったと話す父の顔が浮かんできました。日本へ帰還した翌年に私は生まれたようです。

記念館で配布している舞鶴入港の引揚船一覧表を見て、いつ、どの船で父が帰還したのか知りたくなり、引揚者名簿等(旧軍人・シベリア抑留体験者)の照会先である厚生労働省 社会援護局へ「ロシア連邦政府から提供された旧ソ連邦抑留者個人資料の開示申請書」を送付しました。申請書の注意書きには、「調査の結果、該当する資料が無い場合があります」「提供する資料は、ご本人の漢字氏名以外はロシア語で書かれています」とあり、送付しても父が乗船した引揚船名を知ることが出来ないかもしれないとも考えましたが、本人確認等の書類を添付して送付しました。

記念館を出てJR東舞鶴駅に向かう途中に、菊池章子・二葉百合子の「岸壁の母」の舞台である桟橋をタクシーの車窓から見ました。この歌も時々聴いていましたので、胸に迫るものがありました。

2020/07/24/新着情報

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